Manner
振袖の着方やマナー
成人式に役立つ振袖の知識をレクチャー
教えて!振袖の着方やマナー
初めて振袖でお出かけする時、「こういう時、どうすればいいの?」と疑問で頭がいっぱいに!?
普段どおり振る舞おうとしても、袖の長さ、裾さばきなどの勝手が違い、着付けが崩れていないか気になってしまいます。
振袖を美しく着こなすには、しぐさにちょっとしたコツが必要です。
お作法というほど堅苦しく考えず、印象アップの動作や、着崩れのチェックポイントをおさえましょう。


振袖の着こなしチェック
着付け時の状態をキープする3つのポイント

衿元がゆるんだら?
振袖の角度が左右対称か、重ね衿・半衿がそれぞれ同じ幅になっているかチェック。半衿は動かさず、上前(左手側)の重ね衿か振袖をそっと指先で調整しましょう。たるみが出たら、指で軽く上前をなでつけて帯の中に流しましょう。


おはしょりにシワが…
たるみがなく、下線が横一直線にピンと張った状態がきれいです。シワやヨレが出たら、両手の指を帯の下側に入れて、中央から同時に左・右にしごきましょう。下線は、鏡を見て並行になるように、布地を内側にたくし上げて中の腰ひもに挟みます。


裾が長くなっちゃった!?
立ったり座ったりを繰り返してお尻の部分がたるんだら、裾が落ちていないか確認を。たるんだ分は、指先でおはしょりの内側に押し上げて挟み込むと対処できます。最後におはしょりが折れ上がったままになっていないか、必ず触ってチェックしましょう。



振る舞い・しぐさのマナー
きれいに見える基本のポーズと動作

振袖姿での美しい立ち方は?
着物は縦にまっすぐのラインが美しいとされます。肩や胸は自然に正すぐらいで大丈夫。ポイントはおなか・腰まわりをすっと伸ばすこと。お腹が前に出たり、お尻のラインが出たりしないよう、少し力を入れて立ちましょう。
おなか・背筋のあたりを、中央に一本の線が通っているイメージを持つとGOOD!


振袖で椅子に座る時のポイント
式典の最中はもちろん、着付け後は常に気を付けておきたい椅子の座り方。背もたれで帯がつぶれないように、浅めに腰かけるのが基本です。バッグがある時は、背もたれと体の間に置くとその対策にもなります。
足元は、上前が開かないように足幅に気を付けて、袖は重ねて畳み、膝の上に置くと汚れません。


振袖で正座をする時の手順
正座をする時は、特にていねいな動作を心がけましょう。座る前に、手は上前が乱れないように膝や腰のあたりに当てておきます。
まず、つま先を立てて膝をつきます。座る位置を調整する場合は、この段階で膝を少しずつ動かして移動しましょう。座る位置に着いたら、つま先を片方ずつ静かに寝かせるときれいです。


振袖を着て階段を歩く時の注意は?
上りはつま先、下りはかかとで袖や裾を踏まないように気を付けましょう。
袖は先に重ねて左手にかけておきます。右手は、腰の下をつまんで裾を少し持ち上げると、上り下りしやすくなります。
階段に対して体を少し斜めにすると、より美しく見えるのでぜひ実践を。


お出かけも安心!よくあるシーンのマナーをチェック

振袖でどうやって車に乗り降りするの?
成人式の行き帰りは、車を利用する方がほとんど。車は段差が高く、空間も狭いので、着崩れに注意しましょう。
まず車に乗る前に、両袖を体の前で重ねます。斜めから先にシートに腰を下ろし、髪飾り等に注意して頭を入れます。最後に両足を揃えて正面に回転し、中に入るという順番です。
下りる時は逆順に、足→頭→腰を守って。車内では後ろにもたれず、帯をつぶさないよう気を付けて。


振袖を着て食事をすることになった!
万が一、振袖に食べ物や飲み物がはねたら…と思うと、せっかくのお食事が楽しめません。
振袖の上にかけられる、大きなサイズのハンカチなどをバッグに入れておきましょう。食事中はひざに広げるか、胸元に挟んでかけておけば安心です。
ご自身はもちろん、「周りの方に心配をかけない」というのも、大人としてのマナーと心がけましょう。


振袖を着たままお手洗いに行って大丈夫?
成人式当日は、長い間振袖を着るのでお手洗いに行くポイントはしっかりおさえておきましょう。
できれば洋式で広い個室を選ぶこと。座る時にたもと・裾を引きずらないように、手を洗う時に袖を濡らさないように注意しましょう。
まず袖を前で合わせて軽く結ぶか、クリップで帯に留めます。次に裾を持って、きもの→長襦袢→裾よけの順に胸のあたりまでめくり上げます。
きものを下ろしたあとは、裾や前後のおはしょりがめくれていないか目と手で確認するのを忘れずに。
手を洗う時まで、袖はクリップで留めておくか、帯締めに挟むなどの対処をしましょう。


意外に気づかない振袖のマナー
友だちに手を振ったり、遠くにある物に手を伸ばしたり、電車のつり革を持ったり…袖口から手が出る時には、きものならではのマナーを思い出して。
振袖は、袖口が大きく開いています。袖口から腕が見えるのをなるべく避けるのが、女性としてのたしなみです。手を大きく動かす時は、反対側の手で袖口を軽くつまみましょう。
物を落とした時は、普段どおり前かがみに手を伸ばさずに、袖を片手でまとめて持ち、腰を落として後ろ手で取るような意識で。
大きな動作の前には、少し考えてから動くと自然な振袖美人になれますよ。
